腎不全とは、腎臓が血液をろ過して老廃物を十分に除去できなくなった状態です。一般には、正常な時と比較して腎臓の働きが30%以下になった時を腎不全と言いその経過により急性腎不全と慢性腎不全にわけられます。
腎不全となった原因にもよるものの、急性腎不全は早期の治療により改善する可能性がありますが、慢性腎不全は発症前の状態への改善は難しく、その進行を遅くすることが治療の目的となります。
腎不全が進行して腎臓の働きが10%以下になると、老廃物が体に蓄積したために生じる諸症状(尿毒症症状、だるさ、吐き気、食欲低下、頭痛)や水分の貯留によるむくみ・呼吸困難(溢水)といった症状が出現します。
このような症状が出現するほど腎機能が低下した状態では、直ちに透析(腎代替療法)を行わないと、命にかかわります。言い方を変えると、腎不全による症状はここまで悪化してはじめて自覚することが多く、進行を防ぐには、定期的な血液や尿検査による現在の腎機能の評価が必要となります。
当院では腎機能専門医により、腎不全の進行を遅らせるために生活習慣の見直しなどを行います。またそれでも腎不全が進行し、透析や腎移植といった腎代替療法が将来避けられないと思われる方に対しては、不安が少しでもとれるよう、患者様個々にあった方法を説明いたします。
※エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018より